奈良県吉野郡天川村の洞川地区に「蟷螂(とうろう)の岩屋」「蝙蝠窟(こうもりくつ)」という大峰登山の一の行場として、修行が行われている洞窟があります。
洞川温泉街から五代松鍾乳洞に向かう途中に、蟷螂の岩屋と書かれた看板と道路から下る階段があり、どんなところか気になったので立ち寄って見ました。
蟷螂の岩屋
蟷螂の岩屋は、洞窟内に2匹の大蛇が棲みついて住民を悩ませていたところ、聖宝理元大師が1匹を退治し、もう1匹を山中に追い払って大峰修行が再びできるようになったと伝えられています。
階段を降りて道沿いに歩いていくと、山上川という清流に架かる橋があり、橋の向こうには一軒の小屋が見えます。
小屋は蟷螂の岩屋と蝙蝠窟の入洞受付になっていて、入洞料金(1人300円・幼児無料)を支払うと懐中電灯を貸してもらえます。
小屋のすぐ近くに蟷螂の岩屋があり、受付してくれた人と入口の前で並ぶと、お経を唱えはじめます。
お経を唱え終わってからは、家族のみで懐中電灯を片手に洞窟の中に入りましたが、入口は少しかがまないといけないぐらい狭いです。
蟷螂という漢字はカマキリと読むことができ、修行者が入洞するときに、カマキリのような少しかがんだ体勢になることから、蟷螂の岩屋と名付けられたそうです。
洞窟内は撮影禁止で、少しひんやりとしていて通路は狭いですが、大蛇の名残といわれている鱗状の岩肌を見ることができます。
蝙蝠窟
蟷螂の岩屋の近くにある蝙蝠窟の外観は、山の大きな岩肌が水によって浸食され、ぽっかりと穴が開いていて、蝙蝠窟入口につながる橋が架けられていました。
蝙蝠窟の手前に流れる山上川は、深くても川底がはっきり見えて、吸いこまれそうなぐらいきれいな水なのが印象的でした。
蝙蝠窟は修験者がこもって修行した「こもり窟」が転じたそうで、洞窟探検をしているような感覚がある反面、本当にこんな場所で修行するのかと思う厳しさを感じました。
蟷螂の岩屋内と蝙蝠窟を歩いた所要時間は30分ぐらいで、見終わった後に懐中電灯を返しに行ったら御朱印を書いてくれました。
基本情報
住所
奈良県吉野郡天川村洞川
最寄りの駐車場
洞川エコミュージアムセンターの無料駐車場
営業時間
営業期間は5月~11月
冬季は休業、営業期間中も休みの場合あり