京都市右京区にある「龍安寺」は、1450年(宝徳2年)に細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受けて創建された、臨済宗妙心寺派の禅寺です。
龍安寺は、方丈前庭の石庭が海外でもよく知られており、1994年に「古都京都の文化財」のひとつとして世界遺産に登録され、外国人観光客もたくさん訪れる人気の観光スポットになっています。
庫裡
龍安寺の拝観料金は高校生以上が500円、小・中学生が300円で、庫裡が方丈・石庭拝観の受付場所になっています。
庫裡から方丈へ続く通路には、漢学者・寺西乾山筆による屏風と衝立が置いてありました。
屏風は陶淵明の漢詩「飲酒」が書かれており、衝立は表側に「雲関」、裏側に「通気」と書かれています。
共に紫芝山人書となっていますが、紫芝山人は寺西乾山の雅号だそうです。
屏風と衝立には、書の意味が記載された小さな額が置かれていました。
方丈・石庭
方丈前庭の石庭は、1975年にエリザベス女王が石庭を見学して絶賛し、また英BBCに大きく取り上げられた事から海外でも有名になったようです。
正式名称を方丈庭園といい、国の特別名勝・史跡に指定されています。
枯山水の石庭は、幅25m、奥行10mの大きさで、菜種油を練り合わせた土で作った油土塀で囲まれています。
白砂を敷き詰めた中に大小15個の石が置かれていますが、作庭人物や作庭の意図が定かでないため、謎多き庭としていろいろと諸説があります。
石庭の謎としてよく知られているのは、方丈縁側のどの角度から見ても隠れてしまう石があり、15個の石を同時に見ることができない石の配置がされているということです。
東洋の思想では、15という数字が完全を表すことから、完全なものは存在しないという意図が込められている説があります。
現在の方丈は西源院の方丈を移築したもので、方丈広間では龍と北朝鮮の金剛山が描かれている襖絵を観ることができます。
襖絵は、皐月鶴翁が1953年から5年がかりで描いたものです。
知足のつくばい
方丈の北東には、非公開の茶室蔵六庵にある「知足のつくばい」の複製が置かれています。
知足のつくばいは、真ん中の四角い穴を「口」という漢字の部首に見立てると4つの漢字が書かれていて、吾唯足知(ワレタダタルコトヲシル)と読むことができます。
知足のつくばいは、足ることを知るという知足の心を図案化したもので、水戸光圀の寄進によるものとされています。
庭園の散策
方丈・石庭を鑑賞した後は、鏡容池を中心とした池泉回遊式庭園を散策しました。
かつて鏡容池は、おしどりが見られたことからおしどり池と呼ばれ、石庭よりも鏡容池の方が有名だったそうです。
庭園では、桜、紅葉、スイレンなど四季折々の自然を楽しむことができます。
施設情報
龍安寺の公式サイト
住所
〒616-8001
京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
アクセス(電車・バス)
嵐電北野線「龍安寺」で下車→徒歩7分
市バス50、55系統「立命館大学前」で下車→徒歩7分
市バス59系統「竜安寺前」で下車すぐ
駐車場(普通車)
収容台数80台 石庭拝観者に限り1時間無料
拝観時間
3月~11月 8:00~17:00
12月~2月 8:00~16:30